米東部時間2日夕(日本時間3日朝)の外国為替市場で円相場は急激な円高ドル安となり、一時1ドル=104円台後半をつける場面があった。2018年3月下旬以来、約9カ月ぶりの円高ドル安水準。米アップルが業績予想を大幅に下方修正して米中貿易摩擦の影響の深刻さがあらわになり、投資家がリスクを避ける姿勢を強めた。
外国為替市場では「アップル・ショック」の様相となり、安定的な資産とされる円を買ってドルを売る動きが一気に広がった。ただ1ドル=104円台に突入した後はドルを買い戻す動きも出て、米東部時間2日午後7時半(日本時間3日午前9時半)時点では1ドル=107円台後半で取引されている。
アップルは2日夕、従来890億ドル~930億ドルと見込んでいた18年10~12月期の売上高予想を、840億ドル(約9兆円)まで大幅に下方修正。中国経済の減速が想定以上で、スマートフォン「iPhone(アイフォーン)」の売れ行きが鈍ったという。
米国で年明けの取引が本格化した2日の外国為替市場では、アップルの業績修正公表前から中国の経済指標の悪化で世界経済減速の懸念が強まり、円高ドル安傾向だった。米国時間2日午後5時(日本時間3日午前7時)時点は1ドル=108円83~93銭と、前年末の同時刻より69銭の円高ドル安だった。(ニューヨーク=江渕崇)