回るミラーボール、肌を震わせるビート。めくるめく色とりどりの光と音のシャワーを浴びて、体と扇子を激しく踊らせるオンナとオトコ――。
平成29(2017)年10月、東北最大の歓楽街・仙台市国分町。バブル華やかなりし頃を象徴するディスコ「マハラジャ仙台」が、25年ぶりに復活した。六本木、大阪、名古屋などに続いて6店舗目の再オープン。“お立ち台”や“VIPルーム”もあり、多い日には300人が入る。
客層は、マハラジャ仙台があった1984~92年を知る世代が大半。代表の相沢堅一さん(48)は「とにかく良い時代だった。子育ても一段落、時間やお金に余裕ができて、あの頃に戻って楽しもうという人が多い」と数年前から続くブーム再燃を読み解く。
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経験した世代に今なお、忘れ難く強烈な光を残すバブル。しかし光が強ければ強いほど、影もまたそのトーンを濃くする。平成は、弾(はじ)けた夢と壊れた社会の後始末に追われた時代でもある。
平成9(97)年11月26日、東証一部上場の第二地銀「徳陽シティ銀行」(仙台市)が破綻(はたん)した。
高砂支店長だった小林則悳(のりみち)さん(73)はその日午前4時、本店からの電話で目覚めた。「午前6時半までに支店に行ってほしい」。理由を聞いても「とにかく行ってくれ」の一点張りだった。
支店全員が固唾(かたず)をの…