被爆者健康手帳の申請を長崎市が却下したのは違法だとして、韓国在住の元徴用工の男性3人が市などに処分の取り消しなどを求めた訴訟の判決が8日、長崎地裁であった。武田瑞佳裁判長は3人全員の却下処分を取り消し、市に手帳交付を命じた。
韓国最高裁、三菱重工にも賠償命令 元徴用工らの訴訟
3人はいずれも90代。戦時中に徴用された長崎市の三菱重工業長崎造船所で原爆に遭ったとして、2015~16年に市に手帳交付を申請したが、被爆を裏付ける証人や記録がないなどとして却下された。裁判では、原告側が原爆投下時の体験を詳しく証言するなどして「被爆者に該当する」と訴えたのに対し、市側は「供述内容は信用性に欠け、裏付ける証拠もない」などと反論していた。判決は「原告の供述は相応に裏付けがあり、骨格部分の信用性は肯定できる」とした。