欧州刑事警察機構(ユーロポール)は10日、テニス選手の八百長に絡み、スペイン警察当局が28人のプロ選手を含む83人を逮捕したと発表した。選手の1人は昨年の4大大会、全米オープンに出場していたという。選手名は明かされていない。
報道発表によると、八百長による違法賭博を首謀していたのはアルメニアの犯罪組織。スペインの警察当局は11カ所の家宅捜索で証拠書類のほか、16万7千ユーロ(約2090万円)の現金や高級車5台、ショットガンなどを押収。42の銀行口座を凍結した。八百長の対象になったのは、下部ツアーの「チャレンジャー」と「フューチャーズ」。
テニス界の八百長を調べる不正監視団体TIUによると、昨年、不自然な賭けパターンの報告は前年比23件増の264件あり、男子の下部ツアーが大半を占めた。日本の男子選手が2015年に不正を働きかけたとして、17年に永久資格停止処分を受けている。(ロンドン=稲垣康介)