レスリング女子で五輪3連覇を果たし、国民栄誉賞を受賞した吉田沙保里さん(36)が10日、東京都内のホテルで引退会見を開いた。今後は日本代表や至学館大の後輩たちの指導にあたるという。
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「吉田選手と試合をできなくなってしまったのは寂しい」。2歳からレスリングを続ける東京都目黒区の中学2年、本多香里菜さん(14)は吉田さんに勝つことを目標にしてきた。
昨年11月に津市で開かれた「吉田沙保里杯」では、妹の結里菜さん(10)と姉妹そろって優勝。一緒に記念撮影をした吉田さんから「おめでとう」と声をかけられた。
力強いタックルやどんな試合でも諦めない姿勢が好きだった。「いつか五輪で4連覇して、(3連覇した)吉田選手を超えるのが目標」と言う。
日本代表が輩出する強豪、安部学院高(東京都北区)。3年の太田若那さん(18)は全日本合宿で、吉田さんと練習した。吉田さんをかついで坂を上った際、「いいぞいいぞ」と励ましてもらった。
練習中も周りを見ながら盛り上げる声を出す姿に憧れた。大学でレスリングを続け、五輪を目指す。「沙保里さんみたいに、強いだけじゃなくて努力家で、周りをみて引っ張る、人としてすばらしい選手になりたい」(国吉美香、河崎優子)