国連の国際移住機関(IOM、本部・ジュネーブ)は8日、他国に向かう途中で亡くなったり行方がわからなくなったりした難民や移民が、2018年は前年に比べて25%減ったものの、5年連続で4千人を超えたと発表した。
IOMによると、死者・行方不明者は少なくとも4592人に上り、このうち約半数にあたる2297人は、アフリカや中東からヨーロッパをめざす難民や移民が渡る地中海で死亡するか行方不明になった。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は昨年11月、「地中海での死亡率は急上昇している。捜索と救助の規模が大幅に低下したためだ」と指摘していた。
壁の建設で揺れる米国とメキシコの国境は393人。17年は415人で、ほぼ同じ水準だった。東南アジアは68人。前年から約8割減った。(藤原学思)