作家太宰治が旧制弘前高校2年在学時に使った化学のノートが、青森県近代文学館(青森市)で開催中の企画展「太宰治没後70年 秘蔵資料大公開」で展示されている。専門家たちが注目するのが、傘の下で肩を寄せ合う男女の落書き。女性は太宰が高校時代に出会ったとされる内縁の妻、小山(おやま)初代の可能性が高いといい、「二人の関係と作品への影響を知る上で貴重な資料」と専門家はみる。
ノートは表紙に太宰の本名が「津島修治」と記され、約130ページ。表紙に「二」の文字があることから、旧制弘前高校の2年生だった1928年に使われたものとされる。県近代文学館が所蔵し、普段は非公開だが、今回約10年ぶりに公開された。
元素記号や化学反応式がびっし…