東京五輪・パラリンピック招致に絡んだ汚職疑惑が指摘されるシンガポールのコンサル会社「ブラック・タイディングズ(BT)」の元代表に対し、同国の裁判所は16日、疑惑の発端となったロシアのドーピング隠しが起きた際に自国の捜査当局にうその説明をしたなどとして、禁錮1週間の有罪判決を言い渡した。
JOC竹田会長を訴追手続き 仏当局、五輪招致汚職容疑
有罪とされたのは同社のタン・トンハン元代表(36)。起訴内容を認めていた。検察によると、2014年3月に当時の国際陸連会長と国際オリンピック委員会(IOC)委員だったラミン・ディアク氏の息子で、懇意だったパパマッサタ氏の指示を受け、約52万シンガポールドル(約4100万円)をロシア人マラソン選手の夫に送金した。しかし、後にシンガポール当局の聴取を受けた際、パパマッサタ氏の関与を隠す説明をするなどしたという。
BT社は、東京招致を巡り、13年に日本の大会招致委員会から「コンサルタント料」として約2億3千万円を受領。仏当局はこの金の一部が招致を巡るIOC委員側への賄賂とされたとみて、招致委の理事長だった竹田恒和・日本オリンピック委員会会長に対する捜査を進めている。(シンガポール=守真弓)