日米中韓4カ国の元政府高官や専門家による北東アジアの安全保障についての対話フォーラム(言論NPO主催)が16、17両日、東京都内であった。貿易や安全保障面における米中対立が日本を含むアジアの情勢に大きく影響することで認識は一致。米中の2大国が歩み寄れるのかが探られたが、米中協調の難しさが際立った。
16日の対話で、中国政府にも政策提言をする北京大学国際関係学院の賈慶国(チアチンクオ)院長は、「米中の安定化は不可能ではない。両国は既存の国際秩序を維持したいと思っている」と指摘。対立が先鋭化している米中貿易紛争への歩み寄りはできるとの考えを示した。また「中国は民主主義や自由、平等、法の支配を進めようとしていて、これらは実務面では異なるが、価値観は米国と共有している」とも主張した。
その上で、米国の対中制裁関税を念頭に、「中国はトランプ政権の要求に対し、農産物の購入など譲歩している」と強調。「いかなる取引も歩み寄りが大事で、中国の全面降伏は現実的ではない」と述べ、トランプ政権の譲歩を求めた。
これに対し、オバマ前政権の2…