お乳がよく出ますように――。「おっぱい観音」として女性の人気を集める山口県周南市の川崎観音堂で17日、年初めの縁日「初観音」があった。出産を控えた妊婦や子どもを授かった母親たちが乳房をかたどった手作りの絵馬を奉納。観音様に手を合わせた。
境内の一角に所狭しと並んだ「おっぱい絵馬」。肌色や白の布などに綿を詰めた乳房に、赤いボタンなどで作った乳首を付け、紙の箱に入れて奉納される。
元気に生まれてきてね
母乳がたくさん出ますように
箱にはそんな願い事が書き込まれている。
0歳の長女を連れて訪れた市内の母親(26)は「無事出産できたので、そのお礼に」と話し、祈願の列に並んだ。
毎月17日が安産と授乳の祈願の縁日だ。1月の縁日は「初観音」と呼ばれ、例年3千人ほどの人出でにぎわう。観音堂の運営は地元の自治会が担い、この日に備えて山の草刈りや境内の掃除、食事をふるまう「お接待」の準備を進めてきた。
来年4月には12年に1度の「ご開帳」があり、秘仏が公開される。川崎観音堂運営委員会の椎木幹雄会長(83)は「稚児行列なども繰り出してとてもにぎやか。多くの人に『おっぱい観音』を知ってもらえればうれしい」と話した。(三沢敦)