絶滅の恐れのある野生動植物の国際取引を規制するワシントン条約の対象に、マンモスを加えようという動きが出ている。5月にスリランカで開かれる条約締約国会議に向け、イスラエルなどが提案した。絶滅したマンモスを、野生生物を絶滅の危機から守るための条約の対象するという「異例」の提案の背景には、象牙の密輸問題がある。 議論の対象になっているのは、シベリアなどに生息し1万年ほど前に絶滅したケナガマンモス。シベリアの永久凍土から氷漬けの状態で全身が見つかるほか、牙も掘り起こされている。ゾウの保全を目的にワシントン条約で象牙の輸出入が原則禁止された1990年以降、規制外のマンモスの牙が代替品として国際的に流通。環境省によると、材質は象牙と類似しており、加工品になると外見から識別するのは非常に難しいという。 ケナガマンモスの規制案を提案しているのはイスラエルとケニア。放置すれば、ゾウの密猟や象牙の違法な国際取引を助長するリスクがあるなどと主張。マンモスの牙を国際取引する際、輸出国が発行する許可書が必要となる「付属書2」に掲載するよう求めている。これにより、輸出国は象牙ではなくマンモスの牙であることを確認する必要が生じるとしている。 公開された提案書によると、マ… |
マンモス、絶滅なのにワシントン条約? 背景に象牙問題
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