出産や育児を抱えた議員に、議会採決での代理投票を認めよう――。28日の英国議会下院で、そんな趣旨のルールが試験導入されることが決まった。議員本人が直接投票する原則に1年間、例外を設ける。実現のきっかけは、今月あった欧州連合(EU)からの離脱協定案の採決に、車いす姿で駆けつけた出産間際の議員の姿だった。
英国を揺らすEU離脱問題は、メイ首相の協定案が15日に大差で否決された。この日の議会で、もう一つ注目を集めたのが、大きなおなかで車いすに乗って議場に現れた、野党・労働党のチューリップ・シディク議員(36)の姿だ。シディク議員は、この日に予定していた帝王切開による出産を医師の同意をとって延期し、投票に訪れていた。
英国議会では、本会議や委員会…