JR東日本の3月ダイヤ改定で特急「あずさ」の停車本数が減少することに対し、長野県の沿線自治体の反対が続いている。深刻なのは観光関係者で、「ものすごく影響が出る」と客足の減少を懸念する声も。1日には太田寛副知事と地元自治体の首長らが東京のJR本社を訪れ、改定の見直しなどを申し入れた。
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改定案によると、松本―新宿間で、塩尻、岡谷、下諏訪、上諏訪、富士見の各駅に停車するあずさの本数が、従来より1日あたり上下計2~12本減る。
JRによると、改定によって短縮する時間は新宿―松本の上りで4分、下りで6分。松本駅の利用客は若干利便性が高まるが、停車本数が減る駅では利用していた列車に乗れないケースが出る。影響が大きいとみられるのは塩尻駅であずさに接続する木曽地域や、停車本数が大きく減る下諏訪町、富士見町など。
木曽観光連盟(木曽町)の上垣外浩之事務局長は、「宿場を巡る観光が主力だが、バス路線が弱いためにJRを使う方が多い。松本や上諏訪での乗り換えは負担になる。観光客に影響があることは地元住民の影響にもつながる」と話す。さらに、「松本発午前8時の東京行きが塩尻駅に止まらなくなるため、木曽地方からのビジネス利用者が不便を強いられます」。
停車数が大きく減る下諏訪の旅館経営者は「ものすごく影響が出る」とみる。古い宿場町の同町は、温泉と落ち着いた町並みで観光客を集めている。ため息をつきながら、「新宿から乗り換えなく1本で来られるのが下諏訪の特徴。それがいわば条件のようなものですから……」。別の旅館経営者も、「今まで11本止まっていたのが、いきなり4本。びっくりしています」と戸惑いの声をあげる。
この日、JR東日本を訪れたの…