1日から、東京と神奈川の中学受験がスタートした。数日間に入試が集中するが、近年は「午後入試」をする学校も増えている。今年も、午前中の受験を終えてから、午後に別の中学を受ける子どもがあちこちで見られた。(大賀有紀子、横川結香)
日程集中、同日の併願可能に
1日午後3時前、巣鴨中(東京都豊島区)では急ぐように正門を通り、会場へ向かう受験生が続いた。
東京と神奈川では私立中学入試が毎年2月1日から一斉に始まる。巣鴨中も1日午前に4教科の入試を実施してきたが、今年は初めて、1日午後に算数1教科の入試も行った。他の学校との併願が容易になることで、新たな受験層を掘り起こしたい考えだ。大山聡・入試広報部長は「第一志望は他校であっても、巣鴨に挑戦したいという受験生に広く門戸を開きたい」と話す。
今回は定員20人に対し、508人が志願し、予想を上回る人気になった。控室で長男(12)の受験終了を待っていた東京都内の母親(46)は「午前は第一志望の開成中を受験し、電車で急いで駆けつけた。試験が続いてしんどそうだけど、巣鴨は1科目で負担も軽いため、受験した」と話した。
世田谷学園中(世田谷区)も、今年から1日午後に算数1教科の「算数特選」を始めたところ、30人の定員に対し、425人が志願した。北原透教頭は「受験生の負担を減らし、また学校として数学に力を入れていることがストレートに伝わる」と話す。算数特選からは、入学金や1年間の学費がほぼ免除になる特待生を20人出すという。
進学塾の栄光ゼミナールによると、1日に午後入試を実施した私立中は、東京と神奈川で約140校にのぼる。広がる背景には、中学受験が短期間で終わることも影響している。過去に子どもが午後入試を受験した都内の女性(45)は「2日までに合格を一つもらえれば、親子ともに安心できる」と話す。
■女子校でも新…