総務省が2017年にも基幹統計を含む377統計を一斉点検し、4割弱の138統計で問題を確認していた。総務省は当時、再発防止策を各省に示していたが、今年1月の点検でも56の基幹統計の4割で不適切な調査が見つかった。再発防止策が徹底されずに今回の問題につながった。
17年の一斉点検は、16年末に経済産業省の一般統計「繊維流通統計調査」で架空のデータを使う不正が発覚したことを受けて実施した。今回、不正調査が発覚した厚生労働省の「毎月勤労統計」と「賃金構造基本統計」について、当時、厚労省は問題を報告していなかった。
当時、問題が明らかになったのは56の基幹統計のうち16統計と321の一般統計のうち122統計。「調査結果の公表遅れ」「調査対象者数の変更」など、総務相の承認を得た調査計画と異なる調査が行われていた。
総務省は当時、統計委員会に結果を報告し、ホームページで公表。「公的統計の信頼を損なう例はなかった」とする一方、各省には統計法が定める手続きを守るよう求め、総務省としても各統計の事後チェックの強化を決めていた。