アジア初のアフリカ豚コレラが発生した地域では、あちこちに「消毒殺菌」と書かれた消毒剤の袋が転がっていた=2018年11月27日、中国・瀋陽市瀋北新区、平井良和撮影
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岐阜、愛知、大阪などの府県で家畜の伝染病「豚(とん)コレラ」の感染が拡大しているが、中国でも「豚コレラ」という名が付けられた豚などの伝染病が昨年以来、流行している。中国では1月までに25省・市・自治区に広がり、90万頭以上の豚などが殺処分された。中国で広がった伝染病と、今回の日本での豚コレラは同じものではないのだろうか。
国際ニュースを解説「今さら聞けない世界」
日本で問題になっている豚コレラのウイルスは、豚やイノシシの間で感染する。感染すると発熱や下痢などの症状を引き起こし、致死率は高い。人には感染せず、感染した肉などを食べても健康への影響はないとされる。世界各地で断続的に感染例があり、日本では1992年にも熊本県で発生したことがある。
爆発的な拡大を防ぐために豚などの殺処分という方法がとられるが、ワクチンも存在し、根絶の最終盤などで使われる。
2018年8月にアジア初のアフリカ豚コレラが検出された養豚場の跡地。建物はすでに取り壊されており、一面にまかれた白い消毒剤と「消毒殺菌」と書かれた袋が残っていた=2018年11月27日、中国・瀋陽市瀋北新区、平井良和撮影
一方で、中国で流行するのは「アフリカ豚コレラ」。農林水産省や中国政府の資料によると、感染した豚の症状は豚コレラに似ており、感染した豚肉を食べても人には感染しないという点も共通する。
だが、豚コレラとアフリカ豚コ…