(フロントランナー)映画監督・山戸結希さん(30)
女の子が生きていく力になる映画を作りたい。
大学在学中に「あの娘が海辺で踊ってる」で鮮烈にデビュー。少女の自意識や感受性の鋭さ、そして柔らかな部分をぎゅっと閉じ込めた映像作品を次々と発表し、同世代の女性監督の先頭を走り続けている。
「女の子」とは全ての女性を優しく包む言葉だ。「多様な生き方が広がり、女性の問題が世代間で離ればなれになっている。でもセクシュアリティーとは別のところにある、人間としての尊厳を表現したいなと思っています」
言葉の人でもある。それゆえに女性監督の作品に投げかけられる「女性らしい」という均一的な表現に疑問を呈す。
その答えのような作品が、オムニバス映画「21世紀の女の子」(全国順次公開中)だ。
企画・プロデュースをして、1980年代後半から90年代生まれの女性監督14人を集めた。自身の監督作も含めて短編15編をつなぎ、橋本愛や石橋静河ら共鳴した若手俳優たちも参加した。
テーマはあえて「自分自身のセ…