「劇団☆新感線」が旗揚げ39周年の今年、「サンキュー興行」と銘打ち、各地を巡る。誕生の地・大阪で3月に上演が始まるのは、主演に生田斗真を迎えた、中島かずきの新作、いのうえ歌舞伎「偽義経(にせよしつね)冥界歌(めいかいにうたう)」。大阪時代を知るメンバーも顔をそろえる豪華な布陣で、「アクションの量は劇団史上一、二を争う」という活劇に挑む。
いのうえひでのり語る「新感線流」 集団のためでなく…
神社で寝袋、何もなかった新感線 ワチャワチャ大阪時代
物語の舞台は鎌倉幕府成立前夜。奥州を治める一族に生まれた玄久郎(生田)が、ある事情から源義経になりすまし、源平の争いに身を投じていく。生田は「正義感が強いけれど、抜けている。彼がどう変わっていくかが、一つの見どころになると思う」と話す。
新感線への出演は今回が4度目。初めて参加したのは2002年、17歳の時だ。「それまで演劇にあまり関わったことがなかったので、ヒヨコが最初に目に入ったものを親だと思う感覚で『これが芝居だ』と。新感線の皆さんに、自分の核となるものを作ってもらった」と振り返る。
そんな生田を、演出のいのうえひでのりは「黙っているとクールだが、しゃべると意外に明るい」と評し「そういう二面性を生かせる芝居だと思う」。
劇団は昨年末、客席が360度回転する東京・豊洲の劇場で、約2年にわたる旧作のロングラン公演を終えたばかり。新作に取り組むのは、久しぶりだ。「リスタートには『いのうえ歌舞伎』だと思った。少年漫画、ファンタジーでスペクタクル。王道中の王道です」と、いのうえ。個性豊かな登場人物とアクションの連続で、目指すは「平安・鎌倉時代版『アベンジャーズ』」だ。
他にりょう、中山優馬、藤原さくら、山内圭哉、早乙女友貴ら出演。大阪公演は3月8~21日、大阪市北区のフェスティバルホール。S席1万3800円など。キョードーインフォメーション(0570・200・888)。
4月2~7日に金沢市、4月18~21日に長野県松本市でも公演がある。サンライズプロモーション北陸(025・246・3939)。