「群馬の島倉千代子」を名乗って高齢者施設で慰問コンサートを続けている群馬県立安中総合学園高校3年の荻野拓海さん(18)に19日、2013年に亡くなった島倉さんが生前身につけていたという着物などが、島倉さんの長年のファンの女性から贈られた。試着した荻野さんは「サイズぴったり。いつ着ようかな」と満面の笑みを浮かべた。
僕は「群馬の島倉千代子」 内気な高3がマイク握るわけ
着物は1990年代に島倉さんが料理番組に出演した際の衣装で、ファンの吉田恵美子さん(68)=大阪府吹田市=が15年ほど前に島倉さん本人から譲り受けたという。趣味のパッチワークの技術を見込まれて島倉さんから布団カバーなどを作るよう頼まれる関係だったといい、荻野さんのことは埼玉県のファン仲間が送ってくれた朝日新聞で知った。「家で眠らせているよりも、着てもらって多くの人に見ていただいた方が島倉さんも喜ぶだろうな」と寄贈を決めたという。
19日、同校を訪れた吉田さんらは、島倉さんが舞台で着たセーラー服や色紙、島倉さんが愛したアップルパイなども贈った。「まさか10代の拓海くんが島倉さんのファンになってくれるとは。いつまでも歌い続けてください」と吉田さん。
荻野さんは「今まで活動を続けてきてよかった。本当に夢のよう。これからも初心を忘れず頑張っていきたい」と終始笑顔だった。(山崎輝史)