心筋梗塞(こうそく)の治療などに向けて心筋細胞を再生させる研究をしている筑波大学などの研究グループが、「ボルタレン」の商品名で知られる鎮痛解熱剤の成分を使うと再生する割合が高まることをマウスの実験で確かめた。心筋細胞の再生を妨げていた細胞内の炎症を鎮めるためらしい。
同大の家田真樹(まさき)教授によると、心筋梗塞は心筋細胞が減り、拍動しない線維芽細胞ばかりになる。心筋細胞はiPS細胞から作ることができるが、高価なうえに心臓への移植手術が必要だ。
研究グループは9年前、マウスの線維芽細胞に特定の遺伝子を注入するだけで、心筋細胞に再生できることを見つけた。「ダイレクト・リプログラミング」と呼ばれる手法で、iPS細胞を使わない再生医療技術として注目されている。
その後、再生率を上げるために…