東京五輪・パラリンピックの開催を2020年に控え、国土交通省は3月4日~7日、危険物を鉄道内に持ち込ませないための実証実験を東京メトロ霞ケ関駅の一部の改札でおこなう。
実験は1日約7時間。人や物から出ている特殊な電磁波「テラヘルツ波」を検知する装置を使う。人と物で電磁波の大きさが違うため、服の中に隠し持った危険物を見分けることが出来るという。
改札の正面に装置を置き、検知したデータと同時に撮影したビデオ画像とをパソコン上で重ね合わせて、係員が危険物の有無を判定する。使う改札機は2台で、ここを通る全員が検査の対象になる。ほかの改札機を通れば、検査を受けずに鉄道に乗ることもできる。乗客を止めることはしないが、模擬の危険物を持ったエキストラも通過させるという。
国交省から委託された警備大手「綜合警備保障」がおこない、改札を通る人の流れを止めずに検査ができるかを主にみるという。
東海道新幹線内では昨年6月、乗客3人が刃物で殺傷される事件があった。国交省は省令を改め、4月から梱包(こんぽう)されていない刃物の列車への持ち込みを禁止することを決めている。(贄川俊)