絶滅危惧種に指定された野生動植物のうち、国際的な取引規制が10年以上も遅れる種がある――。そんな分析結果を、米国の研究チームが米科学誌サイエンスに発表した。商取引が要因で絶滅危惧種と評価された場合、自動的に規制対象とするような仕組みの導入を訴えている。
マンモス、絶滅なのにワシントン条約? 背景に象牙問題
チームが分析したのは、国際自然保護連合のレッドリストに載り、国際取引が種の存続に悪影響を与えている958の絶滅危惧種。これらの種について、絶滅の恐れがある野生生物の国際取引を規制するワシントン条約(CITES)の規制リスト(付属書1、同2)への掲載時期を調べた。
958種のうち、レッドリスト掲載後にCITESの規制対象となったのは334種。規制対象になるまでに平均10・3年かかっていた。レッドリストに掲載されているのに、CITESの規制対象になっていない種は271種あった。
一方、レッドリスト掲載前に、CITESで取引が規制されていたのは353種だった。これらの種が、CITESで取引が規制された後、レッドリストに載るまで平均19・8年かかっていた。
レッドリストは科学的な情報で…