大阪府四條畷市の埋没した古墳とみられる大上(おおがみ)7号墳(6世紀)から、奇妙な文様が刻まれた珍しい盾形(たてがた)埴輪(はにわ)片が、市教育委員会の調査でみつかっていたことがわかった。研究者からは、古代中国思想を起源とする呪術師「方相氏(ほうそうし)」を描いた可能性が指摘され、古代日本の葬送儀礼を探る貴重な資料として注目されそうだ。
市教委によれば、埴輪片は高さ約43センチ、幅約17センチ。2014年に大上7号墳を囲む濠(ほり)から出土。盾の上部に、上下に向かい合うソラマメ形の文様や三角形を組み合わせたような文様があり、盾形埴輪では類例のない文様とされる。
古代祭祀(さいし)に詳しい春成秀爾(はるなりひでじ)・国立歴史民俗博物館名誉教授(考古学)は、この文様を古墳の被葬者を悪霊から守る「方相氏」の可能性があるとみる。
方相氏とは、古代中国で誕生し…