トヨタ自動車のクルマの生産や開発の現場を担う若者を育てる「訓練校」が、トヨタが本社を置く愛知県豊田市にある。その学校で訓練を受けた240人が、今年も巣立った。
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豊田社長から修了証書
トヨタ自動車本社の事務本館大ホール。
壇上に並んだトヨタ幹部が見つめる先には、左胸に「TOYOTA」のロゴが入った作業着に身を包んだ「トヨタ工業学園」の生徒240人がいた。
背筋をピンと伸ばし、緊張した面持ちで座っている。豊田章男社長が壇上で代表者に修了証書を手渡した。2月19日にあった卒業式の様子だ。
トヨタ工業学園は、トヨタの企業内訓練校。今年の卒業生は「高等部」115人と「専門部」125人。高等部は3年間学ぶことで高校の卒業資格が得られ、専門部では高校を卒業した人たちが1年間学ぶ。
一糸乱れぬ起立
式典での卒業生紹介では、担任がクラスごとに生徒の名前を間髪入れずに読み上げ、生徒は腹の底から出した大声で「はい」と返事をして起立した。乱れは一切ない。
豊田社長は、卒業生に「入社以…