茶臼山動物園(長野市)の人気者、レッサーパンダのロンくんとふれあえるイベントが、今月末で終了する。2日、「ありがとうロンくん!」と題した記念イベントがあり、多くの人が終了を惜しんだ。
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飼育員の田中宏(こお)さん(46)に背負われたロンくんが登場すると、歓声が上がった。予想以上の来園者数となったが、ロンくんは気にしていない様子。田中さんの背中や肩を楽しそうに動き回った。4年前にロンくんに触ったことがきっかけで、レッサーパンダが大好きになったという東京都足立区の小学4年生、西林果音さん(10)は、最後の記念撮影をした。「終わってしまうのは残念」と寂しそうに話した。
ロンくんは2005年6月、同園で生まれた。しかし、2カ月後、母親がストレスなどから尻尾をかむように。人工飼育に切り替え、事務所からレッサーパンダ舎まで、田中さんが腕に抱いて運んだ。その時に来園者にも触ってもらうようになり、06年、ふれあいイベントが始まった。
レッサーパンダを人が触れるようになるのは珍しいという。同園には、ロンくん目当てで全国や海外から多くの人が訪れた。
だが、ロンくんは今年で14歳。動物園のレッサーパンダの平均寿命は15年ほど。体調は問題ないが、長年一緒に過ごしてきた田中さんは、「ここらでゆっくりしてほしい」と、イベント終了を決めた。「ロンは小さい頃から、かなり頑張ってくれた。ゆっくり余生を過ごして、なるべく長生きしてほしい」とねぎらった。
4月以降の展示方法は未定という。ふれあいイベントは31日が最後。土、日、祝日の午後1時半から。(田中奏子)