がん患者や家族向けの相談施設「マギーズ東京」共同代表で元日本テレビ記者・キャスターの鈴木美穂さん(35)が、24歳で乳がんと診断されてから約10年の経験を著書「もしすべてのことに意味があるなら」にまとめた。恋愛や結婚、仕事など、AYA世代(思春期・若年成人)の患者ならではの悩みに、向き合った軌跡を、率直につづっている。 鈴木さんは2008年春に乳がんがわかり、5月に乳房切除の手術と抗がん剤治療を受けた。胸を失ったつらさ、死の恐怖、親への負い目など精神的な打撃が大きかった。薬の副作用で幻覚や妄想のような「せん妄」が起き、うつ状態で飛び降りそうになって家族が目を離せない時期もあった。 病室からは職場のビルが見えた。テレビ局に入社して3年目。夜も明かりが消えない光景を見て「同僚はバリバリ働いているのに自分は……」と泣いた。 それでも09年1月に記者とし… |
がんとの10年、仕事も恋愛も恐怖も夢も 鈴木美穂さん
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