映画「翔んで埼玉」が公開され、かつて埼玉をネタにした歌「なぜか埼玉」が人気となった芸人さいたまんぞうさん(70)が、降ってわいた埼玉ブームに喜んでいる。自身は埼玉と縁もゆかりもないというが、ヒット曲のリバイバルに期待を寄せている。
なぜか埼玉は、1981年に発売。哀愁を帯びた曲調で、「なぜか知らねどここは埼玉」というフレーズが印象的だ。
さいたさんは岡山県出身。当時、自主制作レコード会社がご当地ソングをつくることになり、栃木、群馬に続く第3弾として埼玉をとりあげた。先輩の口利きで、コーラス漫談グループにいたさいたさんが埼玉を歌った。人気ラジオ番組「オールナイトニッポン」でとりあげられると、たちまち人気が爆発した。当時ラジオに夢中だった、いまの50~60代はさいたさんを知る人も少なくない。
今回の映画に劇中歌としてなぜか埼玉は3回登場する。「昨年12月に古希を迎え、映画への起用はいい記念になった」とさいたさん。現在、テレビ出演はほとんどなく、演芸集団ボーイズバラエティ協会メンバーとして、東京の浅草東洋館で「歌う審判」として出演。79年に始めた草野球の審判の知識と技術をステージにいかしている。
2021年でデビュー40周年。翔んで埼玉は試写会も含めて3回見た。20~30代の観客に受けているのがうれしく、「これを機に僕の存在も知ってくれたら」と、埼玉ブームにのって再ブレークに意欲満々だ。(佐藤太郎)