東京五輪・パラリンピックをテーマに、東京、福島、在日クルド人の高校生たちが一緒に「修学旅行」をするプロジェクトが9日から始まる。1964年と2020年の東京五輪の関連施設を巡り、意見を交わし、変わりつつある東京を見つめ直すことを目指す。
企画は演劇ユニット「Port(ポルト) B」が主催する「新・東京修学旅行プロジェクト」。在日クルド人の視点で企画したツアーを実施するなど、独自の視点を生かした大人向け「修学旅行」を開催してきた。
今回は福島の高校生5人を含む計10人の高校生が参加する予定だ。建設中の新国立競技場などを回るほか、1964年の東京五輪のマラソンで銅メダルに輝いたが、27歳で自ら命を絶った円谷幸吉さんについても学ぶ。円谷さんは福島県須賀川町(現・須賀川市)出身だ。「悲劇のランナーの視点から、二つの東京五輪と東京の街を改めて見直せるのではないか」と「Port B」を主宰する高山明さんは話す。ウルトラマンを生んだ円谷英二監督も同郷で、福島の高校生が9日に2人について発表する。
参加する福島県立福島西高1年の渡辺美桜里(みおり)さん(16)は「普段の生活で出会えない人たちと色々な場所をめぐれることが楽しみ」、埼玉県在住のクルド人の女子高生(18)は「日本で働く外国人が話題になっているが、なぜ外国人が日本にいるのか、他の高校生に興味を持ってもらいたい」と話す。
高山さんは「64年の東京五輪…