2月の午後、住宅街を散歩していたラブラドルレトリバーの腹を、飼い主の女性が蹴り上げた。その様子を目撃者が撮影し、ツイッターに動画を投稿すると、一気に拡散した。ペットなどの動物虐待は年々増え、厳罰化を求める声もある。当事者に理由を聞いた。(興津洋樹)
目撃者の男性がツイッターに投稿した動画は29秒間。2月8日午後5時ごろ、京都市伏見区で撮影した。次々と転載され、数百万回も再生された。「どこに通報していいのかわからなかったので、詳しい人に教えてもらいたくて投稿した」と男性は言う。
広島市の動物保護団体「紫友(しゆう)会」代表の川村紫(ゆかり)さん(39)は、その日のうちに動画を見た。すぐに助けようと思い立ち、建物や道路の特徴を頼りに、ネットの地図や航空写真で大まかな撮影地をつかんだ。
翌日に車で出発し、住宅街で尋ねると、似た特徴の犬がいる家がわかった。数時間後、女性が犬を連れて出てきた。再び犬を蹴ったところで、「なんで蹴るんですか」と声をかけた。
女性の夫も交えて1時間ほど話…