渡り鳥が地球の磁気(地磁気)から方角を知るように、人も無意識のうちに地磁気を感じているかもしれない――。東京大や米カリフォルニア工科大などが19日、そんな研究結果を発表した。外の影響を遮断した実験室内で、地上で向きを変えた時と同じように磁気を変化させたところ、脳波に反応が見られたという。
地磁気を感知できる動物は、渡り鳥のほかにもミツバチやサケなどたくさん知られている。人でも数多く実験されてきたが、結論は出ていなかった。
研究チームは今回、金属製の壁で外部からの電磁波を遮断した静かで暗い実験室で、日米の男女34人に目を閉じて座ってもらい、室内に張り巡らせたコイルで磁気刺激を加えた。
すると、地磁気と同程度の強さの磁力で、北東から北西方向に姿勢を変えた時と同じような変化を与えた場合に、脳波の「アルファ波」に反応が見られた。ただし、磁気の変化に気づいた人はいなかったという。
脳波が反応した原因として、磁…