東日本大震災で被災した岩手県沿岸を走る三陸鉄道リアス線が23日、開業した。北の久慈(くじ)駅(久慈市)から南の盛(さかり)駅(大船渡市)まで総延長は163キロで第三セクターとしては国内最長。このうち宮古―釜石間は運休が続いていた区間で、震災から8年を経て鉄路が復活した。
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この日は釜石駅で出発式があり、一般公募で選ばれた人たちを乗せた記念列車を運行。宮古駅で列車の到着を待つ湯沢岩夫さん(79)は「街がきれいになって、鉄道も生まれ変わる。復興が進んでいる実感がある」と笑顔を見せた。
リアス線は全40駅で、開業に伴い、三鉄本社がある宮古市内に「払川」と「八木沢・宮古短大」の2駅が新設された。通常運行は24日からで、163キロを結ぶ直通列車は上りが1日3本、下りが2本。宮古―釜石間は上下各11本が走る。
震災後、三鉄の北リアス線(久慈―宮古)と南リアス線(釜石―盛)、2路線に挟まれたJR山田線の宮古―釜石間は被災して運休となったが、三鉄の2路線は2014年4月に全線復旧した。JR東日本は山田線について、三鉄への経営移管を提案し、三鉄と自治体側が受け入れた。JRは復旧費や新車両の購入費、移管協力金など200億円余りを拠出。今後の維持、運営は三鉄が担う。