生で楽しむものだった舞台公演が、映画館で見られるようになっている。大画面に映し出される宝塚歌劇やコンサートは、迫力の音響システムもあって臨場感たっぷり。ライブビューイングは、チケット争奪戦に敗れたファンの救世主になるだけでなく、映画館ならではの「お得感」も味わえるようで……。最新事情を探った。
宝塚歌劇団のスターの美声が、全国の映画館に響き渡った。2月10日夕、東京宝塚劇場であった雪組「ファントム」千秋楽のライブビューイング。宝塚歌劇の担当記者も友人らと一緒に観賞した。
オーケストラの演奏にのって、スクリーンの中央にトップスター望海風斗(のぞみふうと)が登場した。全身を映していたカメラが、歌う望海の顔にどんどんズームアップしていく。まつげ一本一本まで見えそうな鮮やかさに、思わず「美しい……」と声をもらした。
客席に背を向けたときのスターの横顔も、カメラは逃さず捉える。公演なら劇場内の限られた席でしか見られない貴重な表情に、「こんな演技をしていたのか」という発見があった。
カーテンコールでは、映画館の…