全日本空輸(ANA)と豊田自動織機は26日、佐賀空港(佐賀市)で、コンテナを引っ張って運ぶ「トーイングトラクター」による自動運転の実証を始めた。テスト走行は4月5日まで続け、まずは2020年までに人が乗った状態での実用化をめざす。
空港を活用したこうしたテスト走行は国内で初めて。実証で使うトーイングトラクターは、路面の画像を覚える機能が付いていて、GPS機能などを組み合わせて自分の位置を推定できるという。人が運転しなくても目的地まで移動できることを想定している。
この日のデモ走行は、人が乗った状態で実施した。ルート上に置かれたマネキンに反応して止まったり、追い越そうとする別の車に反応して減速したりする様子が公開された。空港にしかない車両が近づいたときや、天候や時刻が違うときでも安全に走れるかどうかなどを確認していく。
人手不足が懸念されるなか、ANAは自動運転を実現して空港業務の省力化につなげていく考えだ。まずは混雑の少ない佐賀空港で試し、全国の空港に広げたいという。(杉浦奈実)