ロシアによるクリミア半島併合や親ロシア派との紛争が続くウクライナで、政治経験ゼロのタレント、ボロディミル・ゼレンスキー氏(41)が大統領選の先頭を走っている。発信は専らインターネット。31日の第1回投票を前に政治風刺ショーを続け、いまだ選挙集会も開いていない。同国を支援する国際機関や欧米の国も政策を探り始めた。
首都キエフで15日夜に開かれたコントショー「夕べの街区」。「街区」は、ゼレンスキー氏と長年行動を共にするコメディーグループの名前「第95街区」の一部だ。同氏が冒頭に「今日は選挙演説はありませんよ。みなさんはお金を払ってきたんですからね」と話すと、会場の3千人はどっと沸いた。コントは政治家や汚職への風刺が満載。名指しは避けながら対立候補の特徴をほのめかすたび、観客は大爆笑した。
観客の年代層は幅広い。自営業アナトーリー・ザイツェフさん(44)は「政治を変えるには、彼が必要なんだ」と話した。ショーは翌日テレビ放送された。
出馬表明は、届け出の締め切り…