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また球場に、歓声が戻ってきました。投げ、打ち、走るのはあくまで選手たち。でも、ITの進化を受けて、膨大で緻密(ちみつ)なデータが「主役」の座を奪いかけています。
「80―20」のバランスで アレックス・ラミレスさん
アレックス・ラミレスさん
監督になった2016年から、基本的にデータ80%、感覚が20%という割合で決断しています。データ上起こりうることは60~70%の確率で現実にも起きると考え、データを重視しています。野手の先発を決める時、大半の選手は相手投手との対戦成績などをふまえて選びますが、2人ほどは「今日結果を残してくれそうだ」というフィーリングで決めています。
活用するデータは増えています。当初、試合前に確認するデータは用紙4ページほどでした。今は10~12ページ。ミーティング前に約1時間半かけて覚え、戦略を立てます。一番分析するのは相手の捕手。ヤクルトの選手時代にチームメートだった古田敦也さんから非常に多くを学びました。
相手捕手の肩が弱く、足の速い走者が一塁にいるとします。捕手の心理として、投手にどんな球を要求したいでしょうか。右打者なら外角の直球です。盗塁を狙われてもすぐ投げられる。何しろ投手に遅い球を投げてほしくない。すると攻撃側は「真っすぐが来る可能性が80%のときに、ヒットエンドラン」と、データに裏打ちされた作戦を仕掛けることができるのです。
野球は、常に進化しています。来日1年目だった01年、先発で球速が150キロを超える投手は各チームそれほど多くありませんでした。でも年を追うごとに増えている。対抗するため、攻撃側としては数字を見極めることの重要性が、年々高まっています。
後半は、スポーツライターの生島淳さん、「カープ女子」の大井智保子さんのインタビューです。
投手起用にも、進化があります…