十勝を舞台にしたNHK朝の連続テレビ小説「なつぞら」が4月1日、始まる。広瀬すずさん演じるヒロイン、奥原なつの幼少期を演じた粟野咲莉(さり)さん(6)らが、NHK札幌放送局で開かれた完成試写会に出席し、撮影を振り返った。
物語は戦災孤児のヒロインが、亡き父の戦友で、十勝で酪農を営む柴田一家にひきとられ、東京でアニメーターになる夢に挑戦する姿を描く。朝ドラ通算100作目となる作品だ。
試写会には粟野さんと、柴田家の長女、夕見子を演じた荒川梨杏(りあん)さん(8)が出席。父母を戦争で失い、焼け野原の東京で「浮浪児」として生き抜いたなつと、見知らぬ同い年の彼女を家族として受け入れられない夕見子。過酷な体験や心の葛藤を乗り越えていく小学生時代の2人を、第2週までみずみずしく演じている。
粟野さんは「戦災孤児など知らないことは資料や映像で見て勉強したけれど、なっちゃんの気持ちを自分の中につくるのは難しかった。でも完成したドラマを見て、大変だった思いは吹っ飛びました。お母さんとみて泣いてしまいました」。荒川さんは「咲莉ちゃんのお芝居はすごいと思った。北海道弁を覚えるためいっぱい練習しました。十勝の空がとても広かったのが印象に残っています」と話し、牛乳やアイスクリーム、エゾシカ肉がおいしかったと口をそろえた。
政策統括の磯智明チーフプロデューサーは「2年前の秋に脚本家と十勝を訪ね、地元の皆さんから聞いた酪農やお菓子づくりのエピソードや、開拓者の証言記録がストーリーに生かされている。希望や夢を伝える十勝で育ったドラマを楽しんでほしい」とアピールした。(山内浩司)