平成最初の優勝校だった東邦(愛知)が、平成最後も頂点をつかんだ選抜高校野球は、甲子園の決勝のアルプス席に吹奏楽の「名門」が3校もそろうという、吹奏楽ファンにはうれしい「珍事」が起きました。異例ともいえる大きな注目を集めた両アルプスでしたが、そこから聞こえてきたのは、日本一を賭けて夢の舞台でたたかう野球部を全力で応援する、まっすぐな音でした。
午前11時、一塁側アルプスに習志野(千葉)、三塁側に東邦と大阪桐蔭、それぞれ約150人の大吹奏楽団が顔をそろえました。
習志野と大阪桐蔭は、「吹奏楽の甲子園」とも呼ばれる全日本吹奏楽コンクール常連校で、昨年はともに銀賞でした。東邦は、戦前に開かれた同コンクール第一回大会にも出場した「古豪」です。
今大会では、東邦の応援を担うマーチングバンド部約30人が大会中に海外遠征したため、留守の間に大阪桐蔭吹奏楽部が「代理」を務めました。そして、準決勝からは合同で応援することになり、前代未聞の豪華な顔合わせが実現しました。
決勝という特別な舞台に臨む仲間たちへの思いと緊張感。そして強力な音楽のライバルの存在。両アルプスとも、一段と引き締まった美しい音で応援が始まります。
三回表、習志野は「アフリカン…