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統一地方選は前半戦が終わり、14日以降、政令指定都市以外の市や区町村のトップと議員を選ぶ後半戦が順次始まる。地方議員の役割とは何なのか、県議を1期4年で退いた女性は自問する。
広大な土地区画整理事業の区域内にある野田留美さんの農場。周辺では造成工事の重機が動いていた=2019年3月18日午後1時22分、名古屋市守山区中志段味、黄澈撮影
きっかけは地元の区画整理
「あの4年間はいったい何だったのかな」。名古屋市守山区の野田留美さん(45)は話す。野田さんは2011年春の愛知県議選で当選した。選挙に出ることになったきっかけは、地元での区画整理だった。
家は守山区中志段味で300年続く農家。私は11代目で、地域の歴史に育てられた「地着(じつ)きの娘」。農場は1ヘクタールほどだけど、ここでお米やトマトなんかを作ってきた。なのに11年前、土地区画整理事業で、代々の農地が危機にさらされた。
「中志段味特定土地区画整理事業」は1995年に事業主体の組合を設立。市の外郭団体「名古屋まちづくり公社」に業務委託し、約192ヘクタールで宅地造成などを計画した。
計画で、うちの農場も別の場所に移転を迫られた。面積は半分になるし、水のことも考えてない。これじゃ農業を続けられないと、組合を相手に訴訟を準備していた。そうしたら、提訴1週間前の08年12月18日の早朝、ブルドーザーとかが突然11台もやってきて、工事を強行し、農地の半分が「強制破壊」されてしまった。
■秘書から「市議に出…