経営難に陥っているJR北海道は、再生期間と位置づける2030年度までの10年間、国や北海道、沿線自治体から総額2800億円の支援が必要との認識を示した。運賃値上げやコスト削減で収支を改善しても赤字体質から抜け出せない、と訴えた。
テツの広場
JR北は9日発表した長期の経営ビジョンで、今年10月の運賃値上げや業務の効率化で年190億円の収益改善を図ると説明。北海道新幹線が札幌駅まで延伸される30年度に向けて不動産事業を大幅に強化する方針も打ち出した。
JR北は16年11月、営業路線の約半分に当たる10路線13線区を「単独では維持困難」と発表。このうち5線区は廃止してバス路線に転換し、8線区は国や自治体の支援を受けて存続させる方針を打ち出し、政府は19、20年度で年200億円の支援を決めた。JR北は、ビジョンを実行しても21年度以降は年280億円と、20年度までより80億円の支援上積みが必要だと求めた。
島田修社長は会見で「国や地域の支援が不可欠だ。一定期間支援をいただき、何とか経営自立を果たしたい」と述べた。(斎藤徹、長崎潤一郎)