タイ中部パタヤ郊外にあった振り込め詐欺グループの拠点とみられる高級住宅で日本人15人が不法就労容疑で逮捕された事件で、グループが現金をだまし取る手段として、日本のコンビニエンスストアなどで売られている電子マネーが使われていた疑いがあることが、タイ警察当局への取材でわかった。銀行口座を経由させないことで、発覚を防ごうとした可能性があるとみている。
タイ警察当局によると、被害者は日本人らで、架空の「支払い請求」をメールなどで事前に受け取っていたという。グループはパタヤの高級住宅の拠点で、日本から電話をかけてきた被害者に「高額の滞納金解決のためだ」と説明し、コンビニなどで電子マネーのギフトカードを買わせていた。本来はカードを介して一定の金額を他人にプレゼントする機能。カードに記載されている「ギフトID」をパソコンなどで入力し、電子マネー口座にチャージ(入金)できる仕組みを悪用したとみられる。
グループは、一度に購入できる上限の30万円分の電子マネーを被害者に買わせてギフトIDを聞き出し、グループが管理する電子マネー口座にチャージしていたとみられる。押収されたグループの記録からは、電話で被害者から聞き出した住所をもとに付近の店舗を検索し、「このコンビニに行ってください」と指示した内容も見つかった。
タイ警察当局は「銀行口座を使う場合、口座が凍結されたり、入金時に銀行側が気づいたりする可能性がある。簡単に入手できる電子マネーを選んだのではないか」とみている。
タイ警察当局が押収した資料に…