アニメ監督・宮崎駿さん(78)が手がける歌舞伎の祝幕(いわいまく)のイラストが11日、公開された。祝幕の実物は5月3日に東京・銀座の歌舞伎座で始まる「團菊祭五月大歌舞伎」で披露される。尾上菊之助さん(41)の長男、寺嶋和史(てらじまかずふみ)さん(5)が七代目尾上丑之助(うしのすけ)として出る初舞台を祝う。
初舞台が「絵本牛若丸」のため、イラストは、五条大橋で牛若丸と弁慶が出会う場面を描いている。
スタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサー(70)によると、宮崎監督と話して象徴的な場面として選んだという。しかし「絵本牛若丸」に弁慶は登場しない。菊之助さんは急きょ脚本を変更してもらい、弁慶の役を追加。自ら演じることにした。「初役です。菊之助の弁慶、大丈夫かと思われるでしょうが、心配を安心に変えられるよう稽古していきます」と語った。
菊之助さんによると、和史さんもこのイラストを気に入った様子で、何度も「これ、僕?」と聞いていた。鈴木さんも「偶然だと思うんですけど、和史君に会ったらびっくりしましたね。似ているんですよね。ほんとに」と笑った。
12月には宮崎監督が漫画や映画にしている「風の谷のナウシカ」の歌舞伎版が上演される予定で、菊之助さんがナウシカを演じる。その縁から祝幕を依頼したという。祝幕は高さ7・1メートル、幅30・3メートルで、宮崎さんの絵の左右に京都と鞍馬山が描かれている。(星賀亨弘)