福島県産の日本酒をPRしようと、県が昨年9月に動画投稿サイト「ユーチューブ」に公開した英語字幕付きの動画に対し、「放射性物質が含まれている」などとする根拠のないコメントが書き込まれていたことがわかった。
県が公開した「NASAKE」と題した動画は、米ニューヨークのバーを舞台に、県内出身の女子学生と米国人が県産の日本酒について語り合うという内容。英語字幕版と日本語字幕版があり、英語字幕版は4日現在、209万回以上視聴されている。
英語字幕版には70~80件のコメントがあり、大半が英語で「福島のお酒を買いたい」や「動画に感動した」などと好意的なコメントが多かった一方、「放射能に汚染された酒は飲みたくない」などと中傷するコメントが十数件あった。
県は3月下旬に全てのコメントを削除し、書き込みができないように設定した。県県産品振興戦略課は「コメントのほとんどが1月までに書き込まれ、傾向が把握できたのでコメントができない仕様に変えた。隠蔽(いんぺい)のために削除したのではない」と話した。
県は動画を通じて国内外にPRする戦略を進めている。動画にコメントができる仕様にするかは担当課の判断で、各動画によって違うという。(小泉浩樹)