国立文楽劇場、大阪松竹座、なんばグランド花月など劇場が集まる「芸能」の町、大阪・ミナミに、今春、新たな芸能の拠点「石見(いわみ)神楽なにわ館」が誕生する。島根県西部を中心に受け継がれる伝統芸能「石見神楽」を専門に上演する国内唯一の常設劇場で、昨年11月からは専属団員を養成する塾も開き、外国人観光客でにぎわうミナミから世界に発信する。
2月23日、オープン予定の劇場近くで行われた専属団員のお披露目となる一般公演。色とりどりの照明が彩る舞台に8頭の大蛇(おろち)が登場し、目を赤く光らせ暴れ回る。戦いを挑んだ須佐之男命(すさのおのみこと)が次々と首をはねる派手な立ち回りに、満員の観客約320人が見入った。
初めて石見神楽を見たという大阪市の会社員女性(50)は「神楽といえば静かで厳かなイメージだったけど、迫力満点だった」と話した。石見神楽は日本神話などを元にした神が悪を退治する勧善懲悪のストーリーが多く、さながらヒーローショー。本場では、子供たちにも人気が高い。
劇場開設のきっかけは昨年1月…