大分県佐伯市の離島深島で暮らす約100匹の猫たちを紹介する「深島ねこ図鑑」を、市観光協会などが制作した。写真や名前からプロフィルまでを網羅。1千部を販売し、収益の一部で基金をつくり、猫のえさ代や治療費などを捻出する。
どうぶつ新聞
いきもの目線
深島は蒲江港の南約9キロ沖に浮かぶ周囲約4キロの島。コンビニや病院などもない。昭和の初めごろには漁業や麦などの栽培をしながら、200人ほどが暮らしていたが、過疎と高齢化が進み、現在は高齢者を中心に10世帯18人だけが生活する。
最近では「猫の島」として知られるようになり、猫とのふれ合いや癒やしを求めて訪れる人も増えた。ただ、猫のえさ代や治療費などは島民らが自腹で捻出。負担も小さくないため、市観光協会は島民らと取り組む「深島プロジェクト」の一つとして、図鑑制作と基金創設を企画した。
図鑑には、猫たちの表情豊かな写真や名前だけでなく、「ボスの風格があるけど、ボスじゃない」「目つきが悪すぎて怖いけど、案外すぐおなかを見せて甘える」「鼻の横にも少し黒い模様があるのが特徴」といった紹介も付く。
猫たちが集まる場所や観光スポットが分かる「深島ねこマップ」なども掲載。市観光協会は「図鑑をきっかけに深島のファンになってくれる人を増やしたい。大型連休には、ぜひ猫たちに会いに行ってほしい」と話す。
島で唯一の深島食堂を営む安部あづみさんは「猫の顔や名前が分かると愛着もわくと思うので、ぜひ図鑑を持って島に来て」と呼びかけている。
1冊1200円(税別)。佐伯市役所や市観光案内所、市観光交流館などで購入できる。28、29両日には大分市のおおいた動物愛護センターであるイベントでも販売する。問い合わせは市観光案内所(0972・23・3400)へ。(佐藤幸徳)