アフリカ中部のコンゴ民主共和国東部でエボラ出血熱が流行している問題で、同国保健省は、昨年8月からの死者数が千人を超えたと発表した。治安が悪化しており、感染の封じ込めを妨げているという。
AP通信によると、イルンガ保健相は3日夜、疑いも含めたエボラ出血熱による死者が1008人に上ったと説明した。2014年に西アフリカのリベリアなど3カ国で流行して1万人以上の感染者が亡くなって以来では、最多の死者数だという。
世界保健機関(WHO)などによると、感染者はコンゴ民主共和国東部の北キブ州などで拡大。周辺は鉱物資源を収入源とする多数の武装勢力が乱立しており、医療物資などの搬送が滞る地域もあるという。
医療従事者を狙った襲撃事案も今年1月から119件発生し、42件は医療施設が襲撃された。医療従事者の殺害に至るケースも出ている。襲撃を恐れ、医療施設ではなく、自宅にとどまる感染者もいるという。
国境を接しているルワンダやウガンダも警戒を強めており、すでにワクチンを配布している。(ヨハネスブルク=石原孝)