北九州市議の村上聡子さん(53)が事務所に届いた段ボール箱を開けると、注文した覚えのないベージュ色のブラジャー16枚がぎっしり詰まっていた。美容ドリンク、青汁、まな板なども立て続けに届いた。
昨年6月のことだ。「嫌がらせが、とうとうこんな手段になったのか」。信じられない気持ちだった。
その2カ月前、前川喜平・元文部科学事務次官の講演会の司会をした。事務所の電話がそれから鳴りやまず、「オマエの家族をのろってやる」という脅迫状が届いた。「前川氏が政権に批判的な発言を続けることと関係があるのかもしれない」と感じた。
身体的な苦痛はないが、かつて朝日新聞阪神支局襲撃事件などで言論に向けられたむき出しの暴力と悪意の根は同じだ、と村上さんは感じている。
「言葉とは違うもので傷つけ、いやにさせて、足を引っ張る。一連の嫌がらせは、どれも魂をそぎ落とすものだ」
東京都八王子市の障害者施設職員、菱山南帆子さん(30)の元には昨年9月、保湿クリームや化粧水が3日間続けて届いた。「女は何も話さず、見た目でも磨けと言いたいのか」
菱山さんは国会前での改憲反対…