ハサン・クズルさん(23)が作った動物用の歩行器は300を超えた。
トルコ南部マルディンの中心部から40キロの農村で牛やロバ、鶏や犬猫に囲まれて育った。その実家の家畜小屋で初めて歩行器を作ったのは5年前の冬のことだった。
飼い猫が車のエンジンルームに入り込み、発進時に死んだ。心が空っぽになった。医者から「もう考えるな」と言われたが、ストレスで眉毛が抜け落ちた。1カ月後、ネットで動物用歩行器が目にとまった。「ほかに救える命があるかも」
近所に1匹の猫がいた。感電で両後ろ脚がまひし、前脚で引きずった体に擦り傷が生々しい。おもちゃの車を分解して作った歩行器を装着すると、はじめ驚いていた猫はすぐに跳びはねてボールで遊び始めた。
「命の修理」と名付けた活動は…