中国の習近平(シーチンピン)指導部に異論を唱えた中国の改革派の学者が所属先の清華大学から停職処分を受け、日本の研究者やジャーナリストら計70人が処分撤回を求める声明を連名で大学側に送った。
「神づくりが極限」習近平氏批判の教授、停職処分 中国
呼びかけ人の鈴木賢・明大教授と阿古智子・東大准教授が21日、会見した。鈴木氏は「放置すれば他大学にも広がる懸念がある。弾圧を止めるために日本からも声をあげることが重要だ」と語った。
処分を受けたのは、法学院教授の許章潤氏(56)。声明によると、許氏は今年3月、大学側から「問題の調査」を理由に、授業や研究活動など「一切の職務」を禁じられた。
3月下旬に北京で許氏と面会した阿古氏によると、許氏は、大学側から過去の海外渡航の目的や誰と会ったかなどを聞かれたと説明。政府機関の国家安全省からも聴取されたと話していたという。
許氏は昨年7月、ネット上に公開した論文で、習指導部が憲法改正で国家主席の任期制限を撤廃したことを批判した。習氏を崇拝するような風潮についても「やめなければならない」と指摘、1989年の天安門事件の再評価も求めた。
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