東京・JR東京駅の構内で、AI(人工知能)を備えた2種類のロボットが接客の巧みさを競い合っている。JR東日本と、技術交流するドイツ鉄道による共同実験で、利用客には使い勝手などを尋ねる評価試験も31日まで実施中。ロボットの外観が対応の信頼性に与える影響やAIの学習能力などを調べる予定だ。
ドイツ鉄道が開発したロボットは、円筒形のボディーにリアルな表情が投影される「SEMMI」で、話し相手の目の位置を認識して顔を向け、日英中独仏など7カ国語に対応できる。対するJR東は、ヒト型ロボット「PEPPER(ペッパー)」に案内データを学ばせた。
2体は、駅地下1階の待ち合わせ場所「銀の鈴」近くで待機する。皇居への行き方やレストランの場所などを尋ねられると、SEMMIは表情を変えながら、ペッパーは身ぶり手ぶりを交えながら、懸命に対応する。2人の子どもを連れて山形県内に帰るという五十嵐理恵さん(37)は、トイレの場所などを尋ねた。「はっきりしゃべらないと聞き取ってもらえないけれど、ロボットに案内されるのは楽しい」と話した。
実験時間は午前10時30分~午後5時。(細沢礼輝)