神奈川県平塚市で県が建て替え工事を進めていた新しい県動物愛護センターが完成し、1日、開所式が開かれた。かつての「処分する施設」から「生かすための施設」と位置づけ、殺処分用の設備は置かず、空調完備の犬の個室や猫室、譲渡希望者が動物とふれ合う「譲渡ルーム」などを備えた。
どうぶつ新聞
いきもの目線
同センターで保護された犬は2013年度から、猫は14年度から「殺処分ゼロ」が続いている。譲渡に協力したり預かったりしているボランティアの存在が大きな支えになっている。
1972年開設の古い施設は、犬の処分を前提に造られたため空調はなく、ストーブやすのこを持ち込むなど職員の工夫で暑さ・寒さをしのいできたという。
2階建ての新センターでは、新たにシャンプー・トリミングを行う部屋や、室内飼いのモデルルームなどを設け、健康と体調を管理して一層の譲渡につなげるための施設にしたという。
同センター愛護・指導課の上條光喜課長は「快適だからと言って、ここに居るのが動物の幸せではない。最後まで愛情を持って飼われるのが幸せであり、譲渡と啓発の拠点にしていきたい」と話した。(遠藤雄二)